ロードバイクは、とても快適な乗り物です。人を、かんたんに遠くへ連れて行ってくれます。
しかし、ロードバイクは、荷物を運ぶように出来ていません。運べるのは、基本的にはレース中に飲むためのドリンクボトル2本だけ、と言っていいでしょう。
ロードバイクはレースのために存在するわけですから、それは当然です。当然ですが、今ではレース以外の目的でロードバイクに乗る人の方がむしろ多数派なのではないでしょうか。
では、ロードバイクで出掛ける時の荷物はどうするのか?
ロードバイクが荷物を運ぶようには出来ていないのは先ほど申し上げた通りです。しかしサポートカーの併走を期待できない我々アマチュアサイクリストは、どうしても最小限の荷物を自分で携行する必要があります。そこで現在ではほとんどのサイクリストがサドルレールに装着するサドルバッグ、あるいはボトルケージに入れるツール缶を利用して必要な道具を携行しています。
私が考えるのは、現在当たり前のように存在するそれらのアイテム以外にも、ロードバイクで荷物を携行する方法があるのではないか、ということです。
もちろん、サドルバッグやツール缶など、いま存在しているアイテムの使い勝手が多くの人に認められているからこそ普及しているのですが、それらのアイテムも、まずロードバイクがあって、その後に後付けで考え出されたものにすぎません。走り方のスタイルによっては、もっとスマートに荷物を携行する方法があるのではないでしょうか。
私は東京に住む、恐らくとても平均的なサイクリストです。レースには出ませんが、サイクリングロードでトレーニングをしたり、日帰りで峠に出掛けたり、年に何回か仲間と自転車旅行に行くのが好きなサイクリストです。
私自身、ロードバイクに乗る時に、荷物を携行する方法については大いに悩まされてきました。もっとスマートに荷物を持ち運ぶやり方はないのか、と。そして私なりに考えたアイデアを形にしてみようと立ち上げたブランドが、このマザーロードです。ここで生まれた製品が、多くのサイクリストに使い勝手のよいものとして受け容れていただけたら、私にとってこれ以上大きな喜びはありません。
マザーロード代表 小林卓哉